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「ただ、母に愛して貰いたかった…」

STORY

 

国王を失った高度経済成長期のタイ王国。

バンコクのビジネス街。

 キャリアウーマンとして働く日本とタイのハーフであるワーン。

放浪癖のある日本人の母を、理解できないまま亡くしていた。

 子育てに悩む日々の中、誰にも見せずに涙を流す。

 

「なにも考えなくていい時間が欲しい…」

 

 そんなある日、母の大切にしていた梅酒を見つけてしまう。

飲酒を規制されたこの国で、

一滴も酒を飲めなかった母が何故【梅酒】を遺したのか。

 

「ねえ、母さん。どうしてお酒なの…?」

その秘密を知ろうと、

梅の栽培をするタイ北部の山岳少数民族の村を訪れ、

梅を守るアカ族のアミーに出会う。

 

 彼女もまた、誰にも見せることのない複雑な一面を抱えていた。

 二人は梅酒をきっかけに引き合い、言葉が通じない中でも絆を深めていく。

記憶の中の時間が戻る。

 

「わたし、この村を訪れたことがある…?」

 

 アカ族の村に隠されていた母の過去と

二人を追い詰める厳しい現実の中で、

アミーとの出会いは、ワーンの生き方を大きく変えていく…。

 

偶然か、あるいは必然だったのか

運命の歯車が、いま動き出す

 

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。

「ママはやっと娘になれました…」

© 2017 by Haze Vision Eyes. 

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