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「ただ、母に愛して貰いたかった…」
STORY
国王を失った高度経済成長期のタイ王国。
バンコクのビジネス街。
キャリアウーマンとして働く日本とタイのハーフであるワーン。
放浪癖のある日本人の母を、理解できないまま亡くしていた。
子育てに悩む日々の中、誰にも見せずに涙を流す。
「なにも考えなくていい時間が欲しい…」
そんなある日、母の大切にしていた梅酒を見つけてしまう。
飲酒を規制されたこの国で、
一滴も酒を飲めなかった母が何故【梅酒】を遺したのか。
「ねえ、母さん。どうしてお酒なの…?」
その秘密を知ろうと、
梅の栽培をするタイ北部の山岳少数民族の村を訪れ、
梅を守るアカ族のアミーに出会う。
彼女もまた、誰にも見せることのない複雑な一面を抱えていた。
二人は梅酒をきっかけに引き合い、言葉が通じない中でも絆を深めていく。
記憶の中の時間が戻る。
「わたし、この村を訪れたことがある…?」
アカ族の村に隠されていた母の過去と
二人を追い詰める厳しい現実の中で、
アミーとの出会いは、ワーンの生き方を大きく変えていく…。
偶然か、あるいは必然だったのか
運命の歯車が、いま動き出す
辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。
「ママはやっと娘になれました…」
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